カテゴリ : BL ジャンル : BLマンガ 出版社 : リブレ 掲載誌・レーベル : スーパービーボーイコミックス ページ数 : 196ページ 電子版発売日 : 2015年02月27日 コンテンツ形式 : EPUB サイズ(目安) : 96MB 「自分の息子だって知ってたら、寝たりしなかった」22年前から現代に戻った凉の前に現れたのは、22年後の"愛する人"だった。時を経て現れた凉、つまり息子を果は頑なに拒絶する。しかし、つい先ほどまであんなにも愛し合っていた余韻を忘れられない凉は、強引に果に迫るのだった。愛するとは、幸せとは何かを問う異色作・完結巻。
完結編です。タイムスリップから現実に戻り、自分と果との関係を見つめ直し悩み苦しむ凉。そして、果はあくまでも拒絶の態度で向き合おうとはしてくれません。 タイムスリップ中は二人とも未熟で、でも若いなりに全身全霊で相手を好きだったことに嘘偽りはないのです。ただ、常識的には許されることではなく。 池玲文センセから突きつけられたテーマに、暫し考えさせられるストーリーです。タイムスリップというファンタジーが緩衝材となっていて、ふだんなら回避したい近親相姦という重いテーマがすんなり受け入れられます。単に禁忌感を煽ってくるのではなく、凉と果の行く末を案じながらも、問題に向き合わざるを得ないように読ませるのはさすが。 私的には、近親相姦でも前向きでモラルを乗り越えた生き方を選ぶ方に共感を覚えます。常識を突き破る愛の強さに憧れるのかも。 これまでなら、現実はともかく創作モノでも結末は自己責任で始末をつけるのが当たり前だったんだろうけど。深く考えるほど、自殺や心中といったネガティブな方法が、果たして正解なのかなー?と疑問に感じたり。「正しくある事が生きてるって事に真摯だとは限らない」というセリフにいたく感動してしまいました。 ノットイコール、幸せの形は本人が決めることですよね。 重いばかりじゃなく、ストーリーもエロも素晴らしかったです。果が昔の面影を残したまま大人になっているところとか、凉がどんどんカッコよく成長しているところとか、萌えどころはどっさり。 脇キャラの西野が、どんよりストーリーの活性剤。母親もその時その時の場面を盛り上げています。1巻でのパンストのはき方が忘れられません… Hシーンも胸が鷲掴みにされるほどジーンとしちゃいます。「長い間一人にしてごめんね」って謝るところは泣けました。描き下ろしの甘え合いっこは濃厚。未来も垣間見えて安堵します。
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