古より怪異と隣り合わせの町・広島県巴市。 巴市役所の「危機管理課特自災害係(通称もののけトラブル係)」に採用された、 出雲の高名な陰陽師一族出身ながら、少し訳ありの黒髪美青年・宮澤美郷と、 幼い頃に在野の天狗を名乗る男に拾われ、フリーの山伏となった 金髪・緑銀眼の熱血系イケメン・狩野怜路。 いきなり同居することになった異色のふたりが、 現代に起こる怪異を華麗に、そしてお役所仕事に追われながら解決していくことに――。
片や実家と縁を切り市役所にある特殊自然災害係に採用されたばかりの陰陽師、片や特殊な眼を持ち子供時分の記憶を失くしたフリーランスの拝み屋――経歴も性格も見た目のタイプも違うふたりは、もののけや怪異を相手にする同じ年ごろの呪術者という以外にどちらにも秘かに抱えている秘密があるようで。 ひとつ屋根の下で暮らしていれば、互いを気にしないでいられなく、気遣わないわけもなく……少しずつ親しみを覚えていく先で、自分の秘密を知られた時、相手の秘密を知った時、それは美郷にとっては再び自分を見つめる時でもあったのかも。 中国山地に抱かれた、素朴さのなかに怪しさと神秘性の残る地方都市の日々のなかで、寄る辺を持たなかった彼らの辿り着いた居場所は、築き上げた居場所でもあって、間違いなく唯一無二のものだと思います。 (5周年フェアでネットギャラリーにて、再読) #NetGalleyJP
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