栗栖川亜理はここ最近、不思議の国に迷い込んだアリスの夢ばかり見ている。ある日、ハンプティ・ダンプティが墜落死する夢を見た後、亜理が大学に行くと、玉子という綽名の博士研究員が校舎の屋上から転落して死亡していた。グリフォンが生牡蠣を喉に詰まらせて窒息死した夢の後には、牡蠣を食べた教授が急死する。夢の世界の死と現実の死は繁がっているらしい。不思議の国で事件を調べる三月兎と帽子屋によって容疑者に名指しされたアリス。亜理は同じ夢を見ているとわかった同学年の井森とともに冤罪を晴らすため真犯人捜しに奔走するが……邪悪なメルヘンが彩る驚愕の本格ミステリ。/解説=澤村伊智
初小林泰三作品!! 夢と現実の世界を行き来し、事件を解決するという特殊設定ミステリである。 おとぎ話のような世界観とそこで起こる様々な凄惨な事件のギャップ、登場人物たちの不毛で辛気臭く、煩わしい会話の数々に導かれて結末までノンストップで読めてしまった。 シリーズの他の作品もどんどん読みたい。 不思議の国のアリスを知らなくても楽しめたが、一度不思議の国のアリスを読んでからもう一度読んでみたい。 これは、、、、人生ベストに入れたい作品である。
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